綺麗になっていたカンティヨン醸造所の外壁

6時前に目が覚めた。朝食後朝のグランプラスへ。まだ人も少なく、レストランへの搬入車以外はゆったりとしている。とても気持ちが良い。

徒歩で楽器博物館へ。ブリューゲルの絵に出てくる楽器の解説など見ることができ、とても興味深かった。そのまま王立美術館のアートショップへ。ここでランビックが登場しているブリューゲルの絵葉書など購入、ホテルに戻った。

12時に前回もお世話になった某銀行現地法人の方々と待ち合わせ。シェ・レオンのすぐ前にある、Aux Armes de Bruxelles という落ち着いた雰囲気の店で昼食を取った。


マッシングタンクで作業するヴァン・ロワさんの息子

午後からいよいよ目的のカンティヨン醸造所へ。ブリュッセル南駅から徒歩で5分くらい、一度来ているので場所はすぐに分かった。

しかしいきなり驚いたことに外壁が綺麗に塗り替えられていた。中に入るとちょうどマッシュの粕をとりのぞいてトラックで運び出すところでとても忙しそう。入り口にはやはりあのヴァン・ロワさんが6年前と変わらぬ元気そうな顔で迎えてくれた。


煮沸釜

行程は説明書に従い自分で回れとのこと。このほうが気楽でじっくり回れるのでとてもよかった。

入り口からまっすぐ奥へ行くとマッシング・タンク。ここで粉砕された麦と湯が混ぜ合わされ麦汁が造り出される。

2階に上がるとすぐに煮沸釜。先ほどの麦汁に古いホップが加えられ煮沸される。煮沸後はホップ粕を取り除いて冷却槽に運ばれる。


穀物倉

さらに進むと穀物倉へ。とても薄暗くひんやりしている。ここに小麦、大麦麦芽、古いホップが保存されている。


改修されていた穀物倉の屋根

ここでまた驚いたことに屋根が改修されていた。以前来たときには、ここでは醸造所固有の微生物などのバランスを崩さぬよう改装なども行わないと聞いていたからだ。後で聞いてみると1年前に改修したとのことだった。

そして先ほどの冷却槽へ。ここに麦汁が入れられる瞬間には人だかりができるほどの重要な場所。部屋いっぱいに赤銅でできた大きな冷却槽がある。煮沸された麦汁はここで空気に触れて冷却される。ここでランビックの発酵に不可欠な野生酵母が麦汁に根付く。


発酵中の樽

また下の階に降り今度は樽の貯蔵室へ。冷却された麦汁は木樽に移される。

(※カンティヨン醸造所の醸造行程についてはこのほかに写真もたくさんありますので別に詳しくご紹介する機会を作りたいと思います。)

一通り回った後ティスティング。他にも団体客がおり、一緒にグーズ、クリークなどをいただいた。まもなく日本に入ってくるであろう、サン・ランヴィナスはこのとき飲むことができなかった。

最後にクロード夫人の手作りだと言う、グーズ、クリーク、ロゼ・ド・ガンブリヌスを使ったカンティヨン特製のジャムなどを購入、ヴァンロワさんに挨拶をして醸造所を後にした。

その後思い出したことがあり中央駅から徒歩で昨日の ”Bieres Artisanales”へ。往復1時間の道のりだ。ホテルに戻ってビールの梱包などをしているうちに7時半。

7時半に毎回お世話になっているカトリーンさんと待ち合わせをしていたのだ。約4ヶ月ぶりの再会。お互い、こんなに早く会うとは思わなかったね、などと話しながらグランプラスの有名店、ケルダルケ”‘t Kelderke”へ。やはり有名店だし場所も抜群に良いのでとても混んでいた。

ここでは以前から興味のあった、”Lapin a la gueuze”(ウサギ肉のグーズ煮こみ)を注文。ビールはセリス・ホワイトの生。カトリーンさんとも久しぶりにゆっくりいろいろな話ができた。

その後ホテル近くのカフェ、Lop Lopへ。ここでパルム、マルールなど飲んでいるうちに急に頭とお腹が痛くなって急遽帰ることに。カトリーンさんとはまたの再会を約束してホテルに戻った。


Bieres Artisanales 店主と

6時半ごろ起きて朝食に下りてみるとほとんどが日本人のツアー客ばかりで驚いた。さすがローマ、ブリュッセルでは考えられないことだ。

朝食後チェックアウトして早めに空港へ。指定のゲートで待っているとゲート変更のアナウンス。その後予定の8時45分を過ぎてもまったく動きがない。結局飛行機に乗り込んだ後も遅れに遅れて10時過ぎにようやく離陸した。

12時にブリュッセル着、国鉄で中央駅へ。今回宿泊のメリディアンは駅のすぐ目の前だから安心だ。まずは数少ないベルギーの知り合いの皆さんに電話。明日の夜は一人で食事をしなくてもよくなった。ここで少し安心。

2時ごろ徒歩でポルト・ド・ナミュール駅方面へ向かう。外は少し暑いくらいの陽気でとても気持ちが良い。しかし目的の場所はなかなか見つからず何度も訪ね歩いてようやく見つかった。

いよいよやってきた”Bieres Artisanales”。ブリュッセルでも屈指のベルギービール専門店だ。もう欲しいビールのオンパレード。まずは頼まれたビールを順番に出してきてもらう。数が多いので店主も驚いているようだ。


ビール博物館の中

途中新入荷のビールなど試飲させてもらいながら自分用のビールやグッズをゆっくり選んだ。そのうち店主がマイケル・ジャクソンの”Michael Jackson’s Great Beers of Belgium”を出してきて「うちは”Where to buy Belgian Beer”のページにも載っているんだ。」というので「実はうちも載っている日本の酒屋なんです。」というと納得の様子。一緒に写真など撮った。

店主にタクシーを呼んでもらいホテルへ。荷物を降ろすポーターが呆れ顔で笑っている。それもそのはず、購入したビールは80本を超えていた。


館内のバー

まだ明るいのでグランプラスへ。こんなに早くこの広場に再会できるとは思っても見なかった。いつ、何度来ても色々な顔を見せる素晴らしい広場。

久しぶりにビールギルド(ビール博物館)に入ってみた。しかし中の電気は消されており、開店休業状態、3ユーロ払ってビールだけ飲んですぐに出た。

その後洋書屋さん、酒屋さんを物色、ビールの本や、今晩飲むビールなどを購入して再びグランプラスへ。そろそろお腹も空いてきたので、前回行きそびれた店へ向かった。


グランプラス

そこは”Brasseurs-Brouwers”といって、ギャルリー・サン・チュベールからグランプラスに入るすぐ手前に2001年7月に出来たばかりのマイクロブルワリー。何もここで食べることはなかったのだが、これまた今まで食べそびれていたワーテルゾーイを頼んだ。珍しく予想通りの味わいでとても美味しく食べることが出来た。レギュラービールは3種類あったので全ていただいた。しかし一人で飲んでいるとなんだか酔うのも早いような気がする。

早々とホテルに帰ってビールの梱包等。今日はくたくたに疲れてしまい10時ごろ寝てしまった。

※この日から通貨はユーロに換わっている。ベルギー・フランは2月末日を以って使えなくなった。

※ブリュッセル中央駅はまだ工事中。今回はチケット売り場も仮のものだった。

02030301
Hilton Rome Airport

「三輪さん、明日からベルギーへ行ってくれないかな。」
この電話から今回のベルギー行きが急遽決まることになった。
まさか行けるはずが、、、と思っていたのに二日後の今日にはなぜか空港に向かっていた。思いがけず4ヶ月ぶりにまたベルギーに行くことになった。

1週間分の仕事の段取りと、ベルギー行きの準備を大急ぎでして日曜日早朝新幹線に乗って東京へ。成田エクスプレスにも初めて乗った。グリーン車で快適だったがとても寂しい。なんといってもヨーロッパの一人旅、海外旅行すら一人で行くのは初めてなのだ。

11時成田空港に到着してからが忙しい。
まず足らないものを購入、チェックイン、とここまでは良かったのだがこの後事件。

今回はミラノ経由でローマまで行き、そこで一泊しブリュッセルという行程なのだが、ローマまではアリタリア航空で行くことになっていた。

今回向こうでお世話になる方々にお土産として日本酒を持参したのだが、アリタリア航空では以前に乗客の酒が割れたことがあり、全て手荷物で持ち込んでくれとのこと。カウンター前で全ての荷物を開けて日本酒を取り出す羽目になってしまった。

その後、保険加入、両替、昼食と時間はすぐに過ぎて、気が付いたらもう搭乗の時刻。結局家に電話することもできず飛行機に乗り込んだ。

乗客は卒業旅行と思われる学生、あとはお年寄りが多くほぼ満席。
今回は機内に持ち込むものまで考えている余裕がなかったので読む本も無い。
時間をつぶすのにとても苦労した。

 

現地時刻の17時10分ミラノ着。ここで約2時間も待たされ、20時10分にローマ到着。しかし眠い、日本ならもう朝の4時ごろ。
荷物を受け取って外へ。周りには先ほどと違って日本人の姿も見当たらず、ここからが心細い。

しかし幸い今回の宿である「ヒルトン・ローマ・エアポート」は空港内にあるのですぐにたどり着くことができた。1999年にできたばかりというとても美しいホテルだった。

チェックイン後空港に戻り、食料を入手。せっかくなのでイタリアのビールを、と思って探したが全く見つからなかった。仕方が無いので、イギリスやデンマークのビール、あとホットドッグのようなものを買って食べてみたが、無茶苦茶まずくて全部捨ててしまった。

ホテルに戻って明日の時間など確認しているとすでに午後11時。
明日発ってしまうのでこのまま寝るのももったいないが、とにかく不安なので早めに寝て早起きする事にした。

1996.10.05

7日目:最終日

この後気が抜けてしまったのか、デジタルカメラによる写真は一枚も無かった。
ロンドンでは タワーレコードへ行ったかな?

「クリーム」のビデオ買ったけど、信号が違うとか何とかで、 ぜんぜん見れなかった。
一通りここではお土産を買って、無事大阪に帰ってきた。
しかし、ベルギーは良かった。前回のドイツも良かったが、今回はもっと良かった。

やっぱり実際に見てこないと分からないことはたくさんあった。
もっともっと勉強してから もう一度ベルギーを訪れてみたい。

おわり。

カンティヨン醸造所
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ブルージュよりバスにて再びブリュッセルへ。「シェ・レオン」にて昼食後、 カンティヨン醸造所へ。
ブリュッセル南駅近くにあり、昔ながらの手作り製法で冬期にのみ醸造を行う小さな醸造所。 カンティヨン醸造所では、辛口で酸味の強い昔ながらのランビックを今も造り続けている。

にぎわうブリュッセル市内の飲食街
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道の両側にところせましと飲食店が立ち並ぶ。

カンティヨン醸造所 樽貯蔵庫
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この醸造所が一番印象に残った。古い建物、暗い醸造所内、オーク樽、クモの巣、まさに手作りの ランビックの醸造所ならではの風景がいっぱい。ほこりもクモの巣も自然醗酵のランビックにとっては 強い味方なのだ。

瓶詰め器械(かな?)
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あっ、グースのラベルだ。

テイスティング
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何種類かのランビックをテイスティング。素晴らしい。右は社長さん。気さくなおじさんだった。 この後、ユーロスターの乗ってロンドンへ。しゃっくりがまだ止まらない。

The Bishops Finger
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最後のビアパーティーはロンドンのパブ「ビショップス・フィンガー」で。ロンドンならではの 雰囲気。

小西酒造の社長様ご夫妻と
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今回の旅で大変お世話になった小西酒造の社長様ご夫妻、同室だった東京のベルギービール専門店 の高野氏と。

グーデンブーム醸造所

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アントワープを出発、水の都ブルージュへ。愛の湖、鐘楼など見学後 ヒューガルデンカフェで昼食。
1872年グーデンブーム醸造所の現オーナーの曾祖父ヴァネスタ氏がビール醸造を始め、それ以来 4世代にわたり、ブルージュ・タルベ、ステェンブルッヘ、ステェンブルッヘ・トリプル、ブルージュ・ トリプル等の伝統的なブルージュの地ビールを造り続けている。ブルージュの街の中心に位置する グーデンブーム醸造所は、その一部に1902年以来の製麦所が今も残り、ビール博物館として一般公開 されている。

Cafe Hoegaarden Brugge
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インターブルー社の系列店。中世を今に残すブルージュにある。来年には日本にも登場するらしい。

ヒューガルデンとレフ
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ここで、ヒューガルデンのスペシャルエールを楽しむ。

ウェイトレスのお姉さん
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意味はない。

ブルージュの酒屋さん
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昼食後さっそくビールを物色に出かける。酒屋4人でみやげなどそっちのけでビールを探す。 でも、とうとうウェスト・フレテレンは見つからなかった。すごい品揃えの酒屋さんを発見。 ここで、コルセンドンクの3リットルの瓶を全員が買い、店員さんに笑われた。めちゃめちゃ重い。 これを日本まで持ち帰った。もちろん、関税も払って。

ヒューガルデン醸造所
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バスにてヒューガルデン醸造所へ。 ブリュッセル東方の白ビールで有名なヒューガルデン村。村の記録では1318年からビール醸造が 伝えられる歴史的土地柄。ここのデ・クライス醸造所でヒューガルデンブランドのビールは造られている。
出荷場
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ここも想像以上に規模が大きい。
工場内
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近代的な醸造設備。ここも意外。醸造所内のショップ
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ここでヒューガルデンの「DAS」「Spesial Ale」などを買った。日本にはもちろん輸入されていない。 魅力的なヒューガルデングッズでいっぱい。先が思いやられる。


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