2016.10.30
獺祭 旭酒造さん現場見学会 2016.10.24
獺祭で世界的に有名になった、山口県岩国市の旭酒造さん現場見学会に参加してきました。
所属している会のメンバーが全国から集まり、総勢20名での訪問となりました。
新岩国駅からバスで40分ほどの山の中に蔵はありました。
このあたりは半径1km以内で300人も住んでいないそうです。
そんなのどかな風景の中に突如現れる12階建ての旭酒造本社工場。
昨年、30億円を投資して建てられたそうです。
この中で獺祭は造られています。
約1ヶ月前に桜井博志氏から社長を受け継いだばかりの、桜井一宏新社長にお話を伺いました。
かつて地ビール事業に参入したが失敗、杜氏まで辞めてしまい、破綻寸前だった会社がどのように今の規模まで成長できたのか、というお話をお聞きしました。
社長のプレゼンテーションの後、いよいよ見学スタート。
まず洗米。
一日5トンの洗米を行うそうですが、誤差を少なくするため、15kgという小さな単位で行われています。
精米されたお米。
精米歩合はなんと19%。
昔ながらの和釜もありますが、それだけでは追いつかないため連続蒸米機も併用しています。
蒸しあがった米が放冷機で冷まされて出てきます。
製麹室。
扉の向こうには大きな製麹(せいきく)機があるのかと思っていましたが、まさかの「たくさんの床(とこ)」でした。
現代的な麹室という感じで、若いスタッフの皆さんが交互に床揉みの作業を行っていました。
さすがに上半身裸ではありません。
仕込室。
こちらも驚きの光景でした。
20klくらいの巨大な発酵タンクがドーンと鎮座しているのかと思ったら、酒母タンク大の小さなタンクが部屋中に整然と並べられていました。
ここには3klのタンクが200本あり、一日4本ずつ仕込みを行っているそうです。
コンピュータ制御ではなく、すべてが毎日、人の目でチェックされています。
品質管理。
すべてのタンクのデータが壁に張り出されており、いつでも誰でも見られるようになっています。
・・・
これで見学は終了。
もともと大手日本酒メーカーに勤めていた私は、きっとそれより進化した設備が整っているのだ、と思い込んでいましたが、実はそうではありませんでした。
社長のプレゼンテーションの中で、
「大手的な効率志向でもない、職人の神秘を期待するのでもない、独自の方向へ。」
という印象的な言葉がありましたが、まさにそれを実感するような製造行程になっていました。
・これまで杜氏が担ってきた仕事を社員がやるようになり、「過程(酒造り)」と「結果(味やお客様の反応など)」とのつながりがあきらかになってきた。
・もともとあった大きなタンクをすべて小さくすることで、誤差やミスを最小限にすることができるようになった。
・社員が何度も仕込みを行うことで社内にノウハウを蓄積していった。
現在は108名の製造スタッフが四季醸造を行っているそうです。
このような他に類を見ない独自の進化を遂げた結果、今の成長があるのだ、と実感しました。
最後に桜井社長とご一緒した皆さんで記念撮影。
後ろに見える素敵な建物は本社工場のすぐ前にある、獺祭直販所です。
今回の手配をしてくださったjizake.comの佐野さん、OSMCの森本さん、当日深夜までご一緒くださった皆さま、どうもありがとうございました。
そして桜井社長をはじめ、旭酒造の皆さま、どうもありがとうございました!
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