2023.08.12

新しいランビック醸造所 ケステモント初輸入

このたび、新しいランビック醸造所 ケステモントから初めて輸入を開始することになりました。
2010年代後半から次々に誕生しているランビック醸造所、そしてブレンダーですが、このケステモントもそのうちの一つです。

今年の3月にベルギーに行った際、さっそく訪問してきました。

醸造所がある、ディルベークは、ランビック醸造所が集まる地域にあります。
リンデマンス醸造所から車で5分ほどの場所です。
徒歩圏内に、デ・ネーヴ、エイレンボッシュなど、かつて操業していたランビック醸造所がありました。

ケステモント醸造所は、もともと1968年まで操業していたランビック醸造所、グーセンス醸造所の場所にあります。
2016年にこの土地と建物をケステモント家が購入しました。
ケステモント家はもともとグーセンス醸造所の近くで暮らしていて、現在のオーナー兼ブルワーはランビックの醸造所を間近に見ながら育ちました。

2019年から、Den Herbergの原酒を使ってブレンダーとしてスタート。
2021年3月から自社での仕込みを開始し、最初のランビックが木樽に入れられ熟成が始まりました。
2022年9月から最初のビールを販売開始しました。

中庭に設置されたクールシップ。

仕込み室。

ランビックの醸造、樽熟成、ブレンドは18世紀に建てられた古い納屋の中で行われます。
現在、1階にはデン・ヘルベルグのランビック、2階には2022年12月に導入された樽が設置されています。

1968年まで操業していたランビック醸造所、グーセンス醸造所の跡。
博物館にする計画があるとのこと。

オーナー兼ブルワーのリアス・ケステモント氏(右)と父フランシスは、オーナー兼CEOのウィム・クリーケマンス(中央)と醸造所を共同所有しています。
リアスとウィムは義理の兄弟でもあります。
※リアスさんはものすごいイケメンでした。

ウィムさんとフルーツ。
醸造所では自社でほとんどのフルーツを栽培して、ランビックに使っています。
ホップはポプリンゲ産のものを使用しています。

造られる製品はセルティシス(旧エコセール・ベルギー)認定を受けています。
写真の4つのマークのうち、一番右。

※セルティシス
ベルギーの有機製品認証機関のひとつで、EUの基準に基づいて認証を行っている。
認証を受けるためには、最低3年間、化学肥料、除草剤、農薬を使用しないことはもちろん、土壌検査や保管場所のほか、多くの厳しい基準を満たす必要がある。
また毎年1回査察を受ける義務があり、それに合格した製品だけがセルティシスのマークを表示することができる。

可愛らしいラベルは版画で印刷したものをスキャンして作られています。

今回は、写真の3種類をティスティングさせてもらいました。
グーズは今年の夏以降に出来上がる、ということで、年末までには輸入する予定です。
詳しいことはまたその際に。

夏からは見学コースも設置されるとのこと。
次回はツアーで訪れてみたいです。

そして、これが今回唯一輸入できた、ケステモント・オード クリーク スカールベーク 375ml

以前は醸造所のあたりで広く栽培されていましたが、現在では希少な存在となっている、スカールベーク種のチェリーを使用したクリークです。
ケステモント醸造所では、自社の畑で有機栽培したものを100%使用しています。(今後、3~5年ほどかけて、さらに300本を植える予定にしています。)
このランビックには、1リットルあたり400グラムのスカールベーク種チェリーを使用しています。

醸造所では通常フルーツを漬け込む際、ステンレスタンクを使用していますが、このスカールベークだけは木樽に漬け込んでいます。
木樽由来の素朴な風味を感じていただけると思います。

オレンジがかった、ややにごりのある濃いめのルビーレッド。
チェリー、ブラックベリーのような赤い果実の香り、桜餅の葉のような香り、バニラやアーモンドのような香りも感じられます。

口に含むと、チェリーのフレーバーをともなった、生き生きとした酸味が広がります。
とてもシンプルで、ほのかな甘味、塩味も感じられるバランス良い味わい。
あとで舌の上で心地よい渋みが続きます。

ぜひお試しください!

  ケステモント醸造所       タグなし

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