2009.11.23
3日目その1:シメイ~瓶詰工場編
午前5時半頃起床。
起き上がるといきなり頭痛に襲われた。
どう考えても昨夜は飲みすぎてしまった。
朝食をとった後ロビーに集合。
ここで今回のツアーを案内していただくKさんと合流。
Kさんとはもう10年以上の付き合いで少し前に日本で再会して以来だった。
実は今回現地参加するツアーとは、JTBさん主催の、ベルギー(+オランダ)ビールツアー2009 7つのトラピスト・ビールを訪ねる「ビール巡礼の旅」7日間、というもの。
意外にもこれまでトラピストビール醸造所の中まで訪れたのは数少ないので、これはチャンスとばかりに参加することにしたのだ。
バスに乗るためホテルの外に出ると雨と強風。
今週中はずっとこのような天気らしい。
しかも事故による渋滞のため、ブリュッセルを抜けるだけでも30分以上かかってしまった。
バスの大きさに対して人数が少ないため、中ではゆっくりくつろぐことができた。
途中、Kさんと近況報告をしあったり、資料に目を通したりして過ごした。
出発して約2時間ほど、10時半過ぎに到着。
ここはエノー州の南端に位置している。
シメイはスクールモン修道院から10キロほど離れた、ベイルゥという町で瓶詰めされているのだが、まずはそこに併設されているビジターセンターへ。
うれしいことに、ベルギー国旗、シメイの旗とともに、私たちを歓迎するための日本国旗が掲揚されていた。
ここが瓶詰工場に併設されているビジターセンター。
すぐに奥のホールに招かれ、ここで輸出マネージャーのボーデン・ファブリス氏が紹介された。
まずは15分程度のシメイの紹介ビデオを観た。
11年前に製作されたものだったため、すでに亡くなっているトーマス神父の元気な姿を見ることができた。
それによると、スクールモン修道院は1850年に設立。
1862年にはビールの醸造を開始した。
1971年に瓶詰工場、2000年にはオフィスが完成。
現在、現場に修道士は勤務していないが、17名の修道士たちがすべての決定事項に関わっているとのこと。
ビジターセンターから瓶詰工場へ移動。
瓶詰工場はかなり規模が大きく近代的。
外はまだ雨が強く降っていた。
瓶詰工場内の事務所。
どうやら、グラン レゼルヴという名前らしい。
日本では見たことの無い、330ml×12本用のカートン。
瓶詰工場はちょうどメンテナンス中で稼動していないとのことだったが、行程順に見学開始。
機械は「瓶詰ラインのロールスロイス」の異名を持つ、ドイツのクローネス社のもの。
ここでは11年前に約600万ユーロをかけて導入したとのこと。
デュベル・モルトガットやオルヴァルでも同じメーカーのものが使われている。
シメイに使われる瓶は約8回~9回はリサイクルされる。
ただし日本向けはすべて新瓶となるためややコスト高。
毎日7パレットもの他社扱い瓶が戻ってくるため、月に一回はそれぞれ返却するそうだ。
戻ってきた瓶は16,000本を収納できるボトル洗浄機に運ばれ、洗剤で2回、水で2回という20分の洗浄行程を経る。
高温で洗浄するため割れるものが出てくるが、弱い瓶をあえてここで破壊しておくことも目的のひとつ。
およそ6万本の瓶を洗浄する能力がある。
瓶詰は1ヶ月のうち3週間は330ml瓶、1週間は750ml瓶。
瓶詰の前にトラックのタンクを20℃まで温め、直接糖と酵母を加えた後、瓶詰。
ここで加えられる酵母は主発酵と同じものが使われる。
その後はレーザーでトラック(ロット)ナンバーを刻印。
トラックのタンクには1本あたり25klのビールが入る。
瓶詰は一日6時間稼動しているが、1時間あたり330mlは4万本、750mlは1万5千本の瓶詰が可能。
工場内を移動中に幸運にもジェロボアム(3リットル)の瓶詰作業を見ることができた。
たまたまこの日が作業日だったらしい。
4人がかりで手間のかかる作業のようだった。
まさしく2009年11月23日瓶詰のジェロボアム。
日本でもおなじみとなったトリプルの樽詰。
2001年からスタートした。
次に入ったのは5年前にできたという貯蔵庫。
床から天井まで均一な温度と湿度が保たれるように、4台の送風機でたえず空気が循環するようになっている。
全部で17万ケースのシメイが収容できるとのことだが、販売ベースで約5~6週間分だそうだ。
ここでシメイの二次発酵は瓶も樽もすべて24℃で21日間行われる。
ケースにはロット毎に気圧計が取り付けられている。
最初は1~2barだが、最終的には6barにまで上がる。
ものすごい数量の打栓前の王冠。
日本を始めとして輸出用にはプラ箱でなく段ボールに移し変えられる。
以前は6人がかりの手作業での移し変えだったが、2001年頃から輸出量が増加したため、2003年にプラ箱から段ボール箱へ自動で移し変える機械が導入された。