2018.07.24
Lupulus(ルプルス)まとめ
ルプルス醸造所にて。
左から、ピエール、三輪、ジュリアン。
ルプルス醸造所のルーツは、アシュフ醸造所にあります。
アシュフ醸造所は1982年、ピエール・ゴブロン(Pierre Gobron)<左>、クリス・ボウラルツ(Chris Bauweraerts)<右>の2名によってスタート。
最初は趣味的な醸造所でした。
これは当時ビールを仕込んだとされる洗濯桶。
現在はアシュフ醸造所内に展示されています。
現在のアシュフ醸造所。
2006年9月より、親戚筋だったデュベル・モルトガット社の傘下に入りました。
一方、ルプルス醸造所はリエージュから南へ車で1時間ほどの、ボヴィニーという町にあります。
ボヴィニーはルクセンブルグ、そしてドイツとの国境とも近い場所に位置しています。
18世紀からある大きな農場の中に建てられ、純粋で新鮮な水を使っています。
ルプルス醸造所は、もともとアシュフ醸造所のカフェ用マイクロブルワリーとして2004年にスタート。
当時は1ヶ月に1klずつ、年間12klのみ醸造を行っていました。
2007年に単独の醸造所として独立。
現在は、アシュフ醸造所の共同創業者の一人である、ピエール・ゴブロン氏と息子のジュリアン氏親子を中心に運営されています。
メインの銘柄、ルプルスにはこんな物語があります。
かつて醸造所がある地域にはオオカミが住んでいました。
彼らはホップで有名なスロベニアから来たと伝えられています。
ホップの毬花はオオカミの顔の形に似ていることから、ラテン語で「Small Humble Wolf」を意味する「Humulus Lupulus」という学名が付けられました。
そのためここで造られるビールにはその名にちなんだ「ルプルス」、ラベルには「オオカミ」が使われているのです。
2017年にはトロワ・フールケ(Trois Fourquets)醸造所からルプルス(Lupulus)醸造所に社名が変更されました。
トロワ・フールケとは、フランス語で3つの(醸造用)フォークという意味です。
Zythos Bier Festivalにて(2007年3月3日)
2007年当時、トロワ・フールケ醸造所の情報を知った私は、毎年参加していたZythos Bier Festivalでさっそく醸造所にアプローチしました。
その時ブースに座っていたのはアシュフ醸造所のクリスさん。
当時は醸造所を売却した直後で、トロワ・フールケ醸造所も手伝っていたのでしょう。
しかしまだ時期が早すぎたのか、諸般の事情で取引に至ることはありませんでした。
(当時はまだルプルスという銘柄もなかったはず)
ずっとそのことは忘れずにいたのですが、それから7~8年経ったある日ベルギー滞在中にルプルスを飲む機会があり、またかつての思いがよみがえってきました。
そして2016年2月に醸造所初訪問。
写真は醸造所の中庭。左が旧醸造所、右が試飲スペース、事務所。
写真は旧醸造所内部。かなり手狭な印象です。
この頃ちょうど新しい醸造所を建設中でした。
ピエール氏の息子ジュリアン氏と初めてのティスティング。
同年6月に再訪。
新しい設備が出来上がっていました!
ボトリング設備ほか。
前とは比べ物にならないくらいものすごい広さです。
2016年現在、新しい醸造所設備を拡張しており、キャパシティは仕込みが8,000kl、発酵が3,000klとなります。
日本にも輸入しているキーケグ。
まだキャパに余裕があるので、他醸造所のビールの樽詰め、瓶詰めも行っています。
2017年にはルプルス・バーもオープンしました。
ルプルスはその名前の通り、ホップの特徴を生かしたビール作りをしています。
ただ、フラットな酵母に特徴あるホップを加えるという作り方ではなく、酵母からの味わいと特徴あるホップとの調和を考える、という作り方を大切に考える醸造所です。
ここのところ新しいアイテムにも次々に挑戦しているルプルス。
これからが楽しみです。