2001.11.06
4日目その2:ヒューグ醸造所へ
続いてご存知ヒューグ醸造所。この醸造所の発音はやはり難しい。ハーゲ、フーグの間のような発音。カタカナで書くとやっぱりヒューグなんだろう。
ここには11時ごろ到着。まず醸造所の外壁に驚く。例のピンクの象が一面に描かれていた。これは目立つ。
醸造所の入口を入ると販売の責任者であるGuybroes氏が笑顔で出迎えてくれた。ゴルバチョフみたいな顔をしている。彼は話好きらしく、こちらが話しかける間もないほど色々な話をしてくれた。彼は元インターブルー社フランス支社のボスだったらしいのだが、ヒューグに引きぬかれてきたとの事。
ヒューグ醸造所の壁
駆け足で瓶詰め工場や工場内の貯蔵タンクなどを見学。その後の多くの時間は試飲に費やされた。ここで愛想良くビールを注いでくれているのはなんとヒューグの若き社長だった。あとからやってきた老人は前社長。現在は醸造所内の博物館の責任者となっているらしい。しかしヒューグ醸造所のVIPにもてなされとても感激してしまった。
工場内はピンクの象でいっぱい
ここにもピンクの象
仕込み室の壁にはユニークな絵
ここでゆっくり試飲。ヒューグ醸造所で以前から造っている「ゴールデン・ケニア生」を始め、「デリリュウム・トレメンス生」「ヴィラー生」「デリリュウム・ノクトルム」「デリリュウム・クリスマス」「メール・ノエル」など次々に開けてくれた。
ここで社長からデリリュウム・トレメンスについての物語。
このビール、最初は1988年、3ヶ月ベルギーに滞在したイタリアの首相の要望で造られ、イタリアに向けて輸出されていた。その後、ベルギーの公務員が何とかベルギー国内でも販売できないかと思案し、まず「デリリュウム・トレメンス」という名前を考え出した。しかしラベルがまだ無い。
そこで醸造所に研修に来ていた学生に、「君、ビール2ケースあげるからラベルのデザインを描かないか」と言ったところ快諾。描かれた絵が現在のあのラベルだという。あの有名なラベルは最初そんな簡単に描かれたのかと、少々意外だった。
社長によるとデリリュウム・トレメンスを飲むと、象→クロコダイル→ドラゴン→鳥(ヒッチコックの!という注釈つき)の順番で現れるという意味らしい。
いろいろ話しているうちに社長に昼食に誘われた。次の醸造所の約束もあったがせっかくのお誘いなのでご一緒させていただく事に。
近くのレストランへ6人で出かけた。出されたビールは「フローリス」の青リンゴだった。現在日本に輸入されている同じようなビールよりもずっとおいしかった。
社長は日本のビール市場についてとても興味があるらしく、常にいろいろな質問をされた。日本人がどんなビールを好むのか知りたいようだった。
現在では50種類を超える銘柄を生産するヒューグ醸造所。社長は今後も毎年新しいタイプのビールを出していきたいとの事。「こうしたやり方が同業者の批判を浴びる事はわかっているんだけどね」といって笑っていた。私も伝統的な醸造所がある一方で、こうした醸造所があってもとても面白いと思った。
そうしているうちにぎりぎりの2時。最後にはお土産まで用意されており、かばんの中は珍しいデリリュウム・グッズでいっぱいになった。
社長始め、ヒューグ醸造所の皆さんには本当にお世話になった。どうもありがとうございました。
醸造所内の試飲スペース
大旦那、ヒューグ社長、会長、部長そして店主