醸造所訪問記

 

 

 

 

 

 

醸造所訪問記

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醸造所訪問記

5時半に起きて準備。
6時過ぎにはホテルを出て、タクシーでプラハ空港へ。
8時40分フライト、10時15分ブリュッセル着。

帰国の日だが、次のフライトまでかなり時間があるので、カンティヨン醸造所に行くことに。
コインロッカーに荷物を預け、11時半頃にブリュッセル・ミディ駅に着いた。

扉を開けると大勢の観光客。
マガリーさんが対応してくれた。

ジャンさん。
忙しそうに仕込みを行っていた。

この日は一人でゆっくり写真を撮ることに専念。
いろいろな場所でたくさんの写真を撮ることが出来た。
最後にティスティングをして、1時間半ほどで醸造所を出た。

メトロでブルス駅に移動し、グラン・プラスへ。
いつも行く店がいっぱいだったので、お隣のスペイン料理店へ。

今日は日焼けするほどの日差しで暑いくらい。

15時頃、ブリュッセル空港。
この後、ロンドン・ヒースロー空港を経由して帰国。

今回は東京出張からそのまま出国し、全行程12日間の長旅だった。
ベルギーの他、フランス、チェコにも足を伸ばし、10箇所の醸造所を回ることが出来た。
特にピルゼンの旅は素晴らしい体験だった。

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午前中はフリーなのでゆっくり目の8時起床。
昨夜飲みすぎたせいでお腹の調子が悪い。
しばらく部屋でゆっくり過ごすことにした。

11時頃、ホテルから近い、マンガ博物館(Centre belge de la Bande dessinée)へ。
入り口では、空港にもある月ロケットが出迎えてくれる。

タンタンの胸像と作者エルジュの写真。

ヴィクトール・オルタ設計のアールヌーヴォー建築の建物。
タンタン始め、多くの作品が展示されていて見応え充分。

14時頃、ホテルに戻って片山さんと合流。
そのままメッヘレンに向かう。

車で約1時間でメッヘレンに到着。
ブリュッセルとアントワープの中心に位置するとても歴史の古い町。
後に神聖ローマ皇帝となる、カール5世が育った町としても知られている。
写真はマルクト広場。奥の建物が市庁舎。

市庁舎の反対側に建っているのが、聖ロンバウツ大聖堂。
13世紀から約300年の歳月をかけて建てられた教会。

教会内部。
以前に来たときはとても寂れた様子で残念だったが、だいぶ綺麗になっていた。
ヴァン・ダイクの「十字架のキリスト」の祭壇画を見ることができる。

メッヘレンには世界で最初に創立された「王立カリヨン学校」があり、塔の上には合計80tのヨーロッパでも最重量級のカリヨンがかけられている。

16時、ヘット・アンケル醸造所。
今日は、片山さんとともに、元小西酒造のハンス・ルーベンスさん(現・ヘット・アンケル醸造所)に醸造所を案内していただく約束をしていた。
ハンスさんは風邪をひいていて辛そうだったが、とても丁寧に醸造所の中を案内していただいた。

醸造所の歴史は古く、1369年にはメッヘレン市に税金を納めたという記録が残っている。
さらに1471年には、病院に寄付をしたため、税金を免除するとの記録も。
当時、流行していた伝染病は水を介して広がっていった。
ビールは水に比べて安全な飲み物とされており、醸造所と病院とが密接な関係にあったためと思われる。

1873年に、ヴァン・ブレーダム家(Van Breedam)が醸造所を買収。
1960年からはレギュラーアイテム「グーデン・カロルス」をリリースし、ベルギー国内や海外でも成功を収めた。
当時としては、有名なモルトガット醸造所の「デュベル」とともに、ベルギーで最初のスペシャリティビールとしての一歩を歩み始めたが、ヘット・アンケルは途中でつまづいてしまった。

その後経営難に陥った醸造所はリヴァ醸造所と提携、1993年までその関係は続いた。
そして1994年~98年にはジョン・マーティン醸造所と提携。

1990年代の終わりにはファミリー出身の5代目当主であるシャルレ・レクレ(Charles Leclef)が受け継ぎ、現在は拡大を続けている。

仕込み釜と煮沸釜。

ろ過機。

醸造所の屋上に屋根付きのクールシップ(冷却槽)がある。

以前は実際に使用していたが、1992年に衛生法により使用を禁止された。

発酵タンク。

熟成タンク。

ヘット・アンケル醸造所ではウィスキーも作っている。

最後はお楽しみのティスティング。

ハンスさん、片山さんと。

18時頃、醸造所を出発してブリュッセルへ。

いつものモール・シュビトで反省会。

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今日は8時半出発。
Oさんのほか、アシスタントのAさん、研修中のIさんも同行。
車の中はとてもにぎやか。


9時過ぎ、ボーレンス醸造所着。
なんと今朝、社長のクリス氏に孫が生まれたらしい。おめでたい!


新しい醸造設備の見学など。
今年初めて名古屋でも開催されるベルギービールウィークエンド、ワンウェイケグなどについてミーティング。


社長のクリス氏と。


11時頃、ヴァン・デン・ボッシュ醸造所。

ここでも、ベルギービールウィークエンド、ワンウェイケグなどについてミーティング。

今、ブファロ・スタウトをボルドーワインのオーク樽2本分に入れてテスト中とのこと。
次回発注時にサンプルを送ってくれるとのことで非常に楽しみ。

ヴァン・デン・ボッシュ醸造所を出て、すぐ近くにある、デ・ライク醸造所を目指す。Herzeleの町に入ったところでみんなで昼食。


14時半、デ・ライク醸造所着。
今回は、社長兼ブルーマスターのアンさんに久しぶりに醸造所内を一通り見学させてもらう。


アンさんの娘、ミークさんも加わってミーティング。
醸造所125周年限定醸造のGouden Arend 750mlのティスティングなど。
素晴らしい味わいで日本に紹介するのが楽しみ。

結局17時まで醸造所に滞在。
ここではいつも長くなってしまう。

18時過ぎにホテル帰着。
ここでKさんと合流して車でレストランへ。
打ち合わせ、というと聞こえはいいけど実際にはほぼ話を聴いているだけ。

22時過ぎにホテル着。

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デュベルを出発して軽く食事をして、グーズリー・ティルカンへ。

ブレンダーである、グーズリー・ティルカンは、ブリュッセルから南西に車で40分ほどの場所にある。
ワロン地域とフランデレン地域の境目に近い場所にあり、ほぼワロン地域の北端に位置している。
ワロン地方(ベルギー南部)では唯一、デ・カム以来12年ぶりとなる、注目の若手ランビックブレンダー。

フランデレンでは、ブレンダーのことをグーズ・ステーケレイ(Geuzestekerij)と言うが、グーズリーとはピエールさんによる造語。

もともと銀行員だったピエール・ティルカン氏が2009年に創業。
彼は、ヒューグ醸造所でバイオエンジニアとして働いた後、ドゥリーフォンテイネンと、カンティヨンで経験を積み独立した。


ジラルダン、ブーン、リンデマン、カンティヨン4種のウォートを使い、1年もの、2年もの、3年ものをブレンドしている。
ランビックを熟成させるオーク樽はサンテミリオン、クローズ・エルミタージュからのものを使用。
年月がたつと味わいも変化する。


ブーン


リンデマンス


ジラルダン

樽の左側に書いてあるのは造った日。


カンティヨン

ブレンドするウォート(麦汁)をカンティヨンから仕入れられるのは、唯一彼だけ。
このマークはここでしか見ることができない。
HORALに参加していないカンティヨンと、HORALとの架け橋になりたいとの思いがある。
ブリュッセルのランビックとフランデレンのランビックをワロンでブレンドする、という意義。


ワインで使用していたものを再利用する。


ワインで使っていた樽

サンテステフ、サンテミリオン(左~銀)、エルミタージュ、クローズ・エルミタージュ(右~黒)。
中古でも生きているオーク樽が良い。
温水で3回も洗浄する。
2012年現在、400Lの樽が240本ある。


樽の中央から伸びているのは泡を取る器具。
3~4ヶ月はつけておく。


ブレンド。
樽10本分をブレンドしてグーズに。
この時点で5%減っているので補酒する。(年に1回)
少なくともすべてのランビックが10%以上は入っている。
(2012年現在は若いランビックが無いので、糖分を追加している)


瓶詰め後、18℃で最低3ヶ月熟成。
グーズは瓶詰め後、半年かかる。

ボトルの他、ステンレスケグ、キーケグもある。


ボトル上部にあるマークの意味。
ティルカンの名前にある、TILLEULは、小さなライムツリーの木という意味。
それでこのマークになっている。
横に書いてあるのは瓶詰の年。


クエッチ(後に日本にも輸入)
クエッチ(Quetsche)とは、一般に見かけるプラム(スモモ)Prune(プリュヌ・仏)とは区別されている。
ピエール氏の出身地ナミュールで育つ小さな梅。皮にも味がある。
ひとつひとつ手で種を取り出し、1リットルあたり250グラムのクエッチをグーズに漬け込む。
ステンレスタンクで最低4カ月かけて熟成させ、香りと成分を溶け込ませる。
写真は製品化前のもの。

ここには書けないような話もいろいろ聞かせてもらい、多くのランビックも試飲させてもらった。
ピエールさんは本当に誠実で良い人だった。

さすがに醸造所3軒周ってくたくた。
早めにホテルに帰って休んだ。

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道路が渋滞していたため、約束の13時に間に合わず。13時30分頃到着。
最初から見学だけの予定だったので、急遽オランダ人の団体に合流させてもらう。

幹線道路沿いのデュベルの看板。
このときはちょうど、トリプル・ホップのデザインが描かれていた。

以前とは別の場所に新設された、醸造設備及び見学コース。

見学者用のビブスを着用して見学スタート。

原材料の説明など。

仕込み釜。
40klのものが2基。
水は60メートルの地下水と水道水使用。
最大で年間10万キロリットルの醸造が可能。
実際には6万キロリットルを製造、ブランド全体では10万キロリットル。

発酵&熟成タンク。
行くたびに新しいタンクが増設されている。
ここでは、20~26℃で4~8日間醗酵が行われる。

現オフィス(手前)と旧醸造所(奥)。
現在、全従業員数は700名。
ここ本社では220名(うち醸造所は120名)が働いている。

瓶詰めライン。
1時間あたり55,000本の瓶詰めが可能。

最後にお楽しみのティスティング。

次の約束の時間が迫っていたので、試飲は断念して14時30分頃出発。

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8時半にホテル出発。
今日はワロン、フランデレンと移動が多いので大変。

10時、デュポン醸造所着。7年ぶりの訪問になる。
デュポン醸造所は、トゥルネーの東に位置するエノー州のトゥルプという人口800人の小さな農村にある、古くからの中規模醸造農家。

1759年から農家としてスタートした後、1844年から醸造も行うようになった。
現在は醸造のみ(一部チーズも作っている)行っており、年間生産量は約1,600kl、そのうち40%が輸出されている。
輸出先は主にアメリカ。その他には、日本、イタリア、フランス、オーストリアなど約20カ国に輸出されている。


新しくなった仕込み設備。
左から、お湯を沸かすタンク、濾過釜、マッシュタン。


1920年から使用している煮沸釜。
新旧の設備両方をうまく使いわけている。


ガスによる直火で加熱。
これにより糖がカラメル状になり、温度の循環にも良い。


醗酵室へ。


醗酵タンク。
他ではあまり見ないタイプの形をしている。
高さが低く(1m)、酵母の上下の運動が少ない。
そのためエステル香が良く出るという効果がある。
1940年代の酵母を使い続けている。

その後、熟成は10℃で2週間。
ここでは必要なら糖も追加する。


発酵タンクの中。


瓶詰め前に糖分や酵母を調整するタンク。


瓶詰め、樽詰め。
瓶内発酵用には主醗酵と別の酵母を使用する。


寝かせて貯蔵。
空気とビールの触れ合う面積が広いほうが良い。
二次醗酵が早く進み、味わいも良くなる。
横に寝かせるのは、ランビックのグーズから学んだ。
23℃の部屋で6週間熟成を行う。


モルトとホップを使用したチーズ。
1995年から、隣の農場で採れる麦を使った自家製パンとチーズの製造も始めた。
チーズは現在6種類ある。パンは2012年に製造をやめた。


Biolegere(ビオレジェール)
かつてのセゾンビールを復刻したもの。
・残糖分が少ないこと
・ビターな味わい
・アルコール度数が低い(3.5%)


4代目社長のオリヴィエさんと。
10年前から現職。

ティスティングなどさせていただいた後、11時45分に出発。

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今日も5時半に目が覚める。
7時半スタート。快晴でとても暖かい。
8時半、ブルージュ着。車中で醸造所とのミーティングの事前打ち合わせ。

9時から社長のザヴィエル氏とミーティング。

6月にベルギー王国のフィリップ皇太子とともにザヴィエル氏も来日するので、その打ち合わせなど。
今回もたくさんの宿題を持ち帰ることになり、また大変だ。

ミーティング終了後、ゲントにあるビール関連器具の会社、Antoine Belgiumに立ち寄る。
ここで継ぎ手のサンプルやカタログなどをいただく。

もうお昼を回っていたので、Oさんと一緒にギリシャ料理店でランチ。
その後、国境を超えてフランスに向かう。

目的地は、2011年6月16日よりビールの販売を開始したフランスのトラピスト修道院、モン・デ・キャッツ修道院。
ベルギーとの国境近くに位置しており、ホップで知られるポプリンゲの町から車で20分程度の場所にある。
写真はモン・デ・キャッツ修道院からの景色。


修道院外観


1650年に小修道院としてスタート。
1840年にモン・デ・キャッツ修道院として設立された。
1847年~1907年まではビール醸造も行っていた。


1918年には爆撃を受け、醸造所も破壊。
1848年からチーズの製造を開始し、現在も行っている。
こちらはトラピストチーズとしてすでに知られている。
(2012.6~ トラピストチーズとしてATPラベル認証を受けている)


修道院内の部屋に通していただいた。

ビール担当の修道士の方とミーティング。
ビールを発売した経緯を伺ってみた。

現在チーズを作っているが衛生管理や維持にお金がかかって大変なので他の収入源を探していた。
ビールを造ろうと考えたが、醸造所はすでに無い。
30名の修道士がいるが、皆高齢でこれから醸造を始めるのは大変。

そこでどこかに委託できないか考え、まずはITAに相談。
それからビールを醸造しているすべてのトラピストビール修道院に相談した。
トラピストには助け合いの規律があり、それはビールでも同じこと。

醸造はスクールモン修道院(シメイ)が引き受けてくれることになった。
したがってATPラベル認証は受けていない。


お土産販売所。


モン・デ・キャッツのビールとトラピストチーズ。


オーベルジュ。

ブリュッセルに戻って、Oさん、奥さんとイタリア料理店でディナー。


こちらがホテルでティステイングした、モン・デ・キャッツのビール。
アンバータイプ1種類のみ。アルコール度数 7.6%。
330ml、750ml、専用グラス有り。
シメイと相談して、他には無い独自のレシピを考案したとのこと。

赤みがかったアンバー。
シメイと似たエステル香。
青りんご、オレンジ、キャラメル、ブラックチェリー、はちみつの香り。
アタックはそれほど強くない。
甘味と酸味のバランスよく、中程度のボディ。
苦味が長く続いた後、ややエグ味。
今後に期待したい。

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