2009.11.23
3日目その2:シメイ~修道院・醸造所編
次に瓶詰工場から数キロ離れた修道院へ移動。
ノートルダム・ド・スクールモン修道院の看板。
とても静かな場所にある。
正面が修道院の入り口。
内側から見た入り口。
入ってすぐ右側に受付がある。
修道院のある村の航空写真で位置を確認。
スクールモン修道院は350ヘクタールを所有している。
中庭を通って教会へ。
反対側は修道士たちのスペース。
教会の入り口。
スクールモン修道院内部の教会。
そしていよいよ醸造所の中へ。
もくもくと蒸気が上がっている。
こんなところにも十字架がある。
まず、原料の大麦麦芽と小麦を、修道院用地内にある二つの井戸からくみ上げた水と一緒に仕込み釜に入れて約1時間半仕込む。
ここでは一日3回仕込を行っており、1週間の最大の仕込み回数は14回まで。
仕込が終わった後は写真のろ過器でろ過して煮沸釜へ。
ここで出た粕は家畜の飼料となる。
粕は地元の農家が取りに来て、彼らの牝牛に食べさせ、その牛乳がシメイチーズに使われている。
煮沸釜の容量は25キロリットル。
行程の始めと終わりにホップを加える。
遠心分離機でろ過した後、約20℃まで冷却され発酵タンクへ。
ここでは仕込み2回分に相当する50キロリットルのタンクが合計6本備えてある。
※来年2010年には新しい発酵タンクを設置する予定とのこと。
この発酵タンクではビールによって異なるが、18~32℃で3日ないし5日発酵が行われる。
ここで使用される酵母は、前々任のテオドール神父によって、1948年に分離、培養されたもの。
麦汁が発酵している間に増殖し、増えすぎた酵母を取り除くため、遠心分離機にかけた後、冷却される。
遠心分離機によって取り除かれた酵母は回収され、薬局で販売される酵母錠剤に生まれ変わる。
その後1~2週間、2~3℃で熟成される。
冷却によって熟成は安定するが、ビールは混濁する。
この混濁を取り除くため、毎分7,000回転する高速・高性能の遠心分離機でろ過される。
写真は2003年から使われている熟成タンクで、容量は75キロリットル。
この場所には1971年頃まで瓶詰ラインが設置されていた。
熟成タンクは修道院の外観を損ねないように、わざわざ太く低い作りのタンクを採用しているとのこと。
最後に瓶内二次発酵用の糖分と酵母が添加されるのだが、約10キロ離れた瓶詰工場まで運ぶため、なんとタンクローリーのところで添加される。
タンクローリーには、ビール、酵母、糖分用の3つの管が用意されている。